勢いよく起業したあなた。
いま、創業メンバーとの人間関係で悩んでいませんか?
なんとなくギクシャクしていませんか?
同じような経験をしたことがあります。
もしよければ、少しだけ僕が実際に体験したことを読んでくれませんか?
もしかすると、そこになんらかの問題解決のためのヒントがあるかもしれません。
その昔、といっても今から約8年ほど前ですが、僕は起業しました。
事業内容は輸入業。
海外から特色ある商品を輸入し、日本国内で販売する事業を計画していました。
まず最初に取り扱うのはアメリカのとある飲料水。
日本にはまだ輸入されたことのない、非常に画期的かつ魅力的な商品でした。
「これはいける!」
絶対の自信を持った僕は、自分の右腕として、昔一緒に働いていた仲間を誘って創業メンバーとして迎えいれました。
名前は…そうですね、仮にK君としましょう。
K君とは昔某外資系企業で一緒に働いていて、公私ともに付き合いの長い、本当に心の底から信頼ができる人間でした。
絶対に信頼しあえる仲間だし、絶対に裏切らない。
そう思っていました。
事業が始まると、想像以上に最初はうまくいきました。
一発目の商談から数百万単位の契約が取れ、大手通販会社との取引も決まりました。
「おれは天才だ!」
「こんなに儲かるなら、世の中のみんな起業したらいいのに!」
と、そんな風にも勘違いしたのを今でも後悔していますが、、、、。
うまくいったのは最初だけ。
事業が途中からうまくいかなり、売り上げがゼロの日がずっと続きました。
最初のうちは気力や勢いでカバーできますが、日に日に減っていく会社の口座残高を見ると嫌な汗が出てきます。
「このままでは資金ショートする…。」
起業して初めて経験する資金の問題。
サラリーマンの世界とは違い、自分で稼がない限りは誰も助けてくれません。
お金がないというストレスからか、人間関係も少しずつギクシャクしてきます。
「今日の営業の進捗は?」
「アポ取れてるの?」
「なにかいい事業アイデアとか思いつかないの?創業メンバーだろ?」
僕は事業がうまくいかないイライラをK君にぶつけるようになり、時にはひどい言葉をぶつけました。
当時からお互いリモートで仕事することが多かったので、1日に何度も携帯に電話しては、今の状況を報告させました。
次第にK君は僕とのコミュニケーションを避けるようになり、メールやチャットに最低限の報告しかしてこなくなりました。
心配になって実際に会って話をすると、これまでのK君と変わらない感じです。
が、どこか壁があるような話し方になり、心の距離は遠くなったことを嫌でも感じる態度です…。
「…はい。」
「…承知いたしました。」
起業した当時はお互いジョークなどを飛ばしながら、将来のことについて熱く語っていたのですが、必要最低限かつ他人行儀な会話ばかりになったとき、
「あ、自分は距離を置かれている。。。」
ということに気づくことができました。
最終的にK君は退職。
他のベンチャー起業に転職することとなり、今は連絡も取っていません。
…すいません、自分語りが長くなりましたね。
結局僕が言いたいことは、
もしあなたが会社の代表であれば、創業メンバーと仲が悪くなる理由はあなたにあります
ということ。
相手ではありません。
コミュニケーション、足りていますか?
その言葉遣い、相手の立場を尊重していますか?
あなたが右腕と思って信頼しているメンバーは、あなたの分身でもなければ、イライラを解消するための都合のいいスケープゴートでもありません。
確かに、あなたは会社の代表という立場で様々な社会的・金銭的責任を負っています。
お給料も支払う立場ですので、他のメンバーとの間にはどうしても上下関係が生まれてしまい、その中であなたは絶対的に「上」の存在のはずです。
ですが、人間関係においては超えてはならない一線が存在します。
それを超えた瞬間、「終わり」が始まります。
あなたの言い分は痛いほどわかります。
「あいつだって、もう少しこっちのことを理解してもいいんじゃない?」
「創業メンバーなんだから、少しくらい代表の気持ちを理解してもいいのでは?」
わかりますが、残念ながら、それは期待しすぎ。
起業を志した人間と、起業を志した人間に付いてくる人間との間には超えられない壁が絶対的に存在します。
あなたがムキになって話をすればするほど、それは重圧(プレッシャー)に形を変えて相手に伝わります。
そしてそれは相手を悩ませ、傷つけ、時にはあなたに対して憎悪という感情を生み出すでしょう。
起業した時点でこれまでの関係は上司と部下という上下関係に上書きされ、あなたの言葉はあなたが思っている以上に相手に刺さるようになります。
そこをきちんと理解しましょう。
あなたは代表であり、絶対的な権限を持っているのですから。
今でもK君には申し訳ないと思っています。
未熟。
その一言で済ませると失礼なくらい、彼のことを傷つけてしまったと思います。
人間関係における後悔は長く続きます。
もう数年経ちますが、
「あんなこと言わなければよかった…。」
「あのときの自分はどうかしていた…。」
何度も心の中で反芻します。
でも、そう思った時はもう遅いのです。
もし、今あなたが起業した創業メンバーとの人間関係がうまくいかないと感じているのであれば、これは関係を修復させることができる最後のチャンスだと思ってください。
そして、僕と同じような後悔をすることがないよう、丁寧に、尊重と思いやりの言葉をかけるように意識してください。
カッコつけて、「マネジメントとはこうあるべき」みたいな経営本に書いてある安っぽい偉そうな態度はやめましょう。
それ、見抜かれていますから。
断言できます。
あと、結果を出しましょう。
売り上げを作りましょ。
それが何よりの薬になりますから。
結局、最終的にはお金が解決します。
そのためにはトップが動いてなんぼです。
やらせるのではなく、「自分」でやりましょうね。
結果の責任は全て自分にあることも忘れずに。
他のメンバーに八つ当たりなんて言語道断です。
以上、何か参考になる部分があれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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