会社で上司から叱られたりした時、
「俺はお前のために言っているんだからな!?」
と言われたことありませんか?
こうやって叱ってくる人は非常にずるく、自分の逃げ道を常に用意している狡猾な人です。
パワハラ気質な人だと自覚があるので「お前のため」という逃げ道や言い訳を用意しているのでしょう。
一緒にいると自分が消耗するので、できれば早く離れた方がいいかもしれません。
「おまえのため」と言ってくる人の心理
「お前のために」と言ってくる人の心理を見ていきましょう。
心理①:相手に嫌われたくない
「お前のために」と言っておけば、どんなことを言っても悪く聞こえませんからね。
相手に嫌われたくない、という気持ちが透けて見えます。
だったら最初からくだらないお説教なんてするなよと思いますが。
心理②:いざという時の自分の逃げ道をつくりたい
パワハラと誤解されたくないための逃げ道を作って起きたい人は「お前のため」といいがちです。
厳しく指導はしたいけど、法的なリスクを負いたくないための賢い戦略です。
心理③:周囲へのパフォーマンス
周囲の人に「俺はこれだけ相手のことを思いやっているんだよ」とアピールしたい場合もよく使います。
できるだけ多くの味方を作りたい人のやり方です。
なんともいやらしい戦法です。
心理④:実は本気で考えてくれている
中には本気であなたのことを考えてくれている人もいます。
いい人なのですが、熱量がありすぎてその気持ちが重たくなる場合もあります。
人間関係が近すぎてもよくはありませんので、付き合いをするときは適切な距離感をとっておくことが大事です。
最強の免罪符が「おまえのため」
いずれにしても、
お前のためを思って言っている。
これは最強の言葉です。
そう言っておけば、どのような内容の発言であったとしても、それは一定の正義を持つことになります。
なぜなら、発言者は「お前のために」という免罪符を手に入れることができるから、です。
一方、最悪なのは「お前のために」と言われた方です。
たとえ相手から罵詈雑言を投げつけられたとしても、相手に「お前のために言っている」という建前があれば、それを自分の中に受け入れなければいけない状態になってしまいます。
まさにパワハラを正当化する最強の免罪符なのです。
もし仮に受け入れなかったとしたら、
「あいつは聞く耳を持たない。」
「せっかくあいつのためを思って言っているのに。」
と、相手に都合のいい逃げ道を与えてしまうこととなり、立場が不利になるのでやっかいなのです。
よくあるシチュエーションの例
会社の上司から
「お前、最近全然仕事のペースが遅いじゃないのか?なにやってるんだ?まあ、俺もあんまり叱りたくはないんだけど、お前のためを思ってあえて心を鬼にして言っているだ。」
みたいなセリフ。
よくありますよね。
多少なりとも社会人の経験があれば、誰もが一度は言われたことあるはず。
このセリフには
「好き勝手言わせてもらうが、一応はお前のことも思って言ってるんだぜ?だから、ムカついても腹がたっても俺のことは嫌いになるなよ?ん?」
みたいな、浅はかなで身勝手な気持ちが透けて見えます。
部下に対して圧力をかけたり、影響力を持ちたいけれど、嫌われたくないしパワハラなんてまっぴらごめん。
そんな都合のいい思いから出るセリフです。
「お前のために」は偽善者が言う言葉
個人的には「お前のために」と前置きしてくる人には一定の警戒感を持っていますし、そうやって言ってくる人は大体は偽善者だと思っています。(全員がそうであるとは思いませんが。)
その昔、僕がまだ起業していたころ、右腕的存在だった創業メンバーのK君を叱責する際、よく使っていたことがあります。
理由は簡単。
「お前のために」と言っておけば、
「ああ、この人は自分のためを思って言ってくれているだ。厳しいこと言ってくれているけど、そこには愛情があるんだ。」
と、思ってもらえる。
そんな期待があったからです。
そこには
言いたいことは言わせてもらうが、嫌われたくない。
そんな甘い考えがありました。
逃げ道を自分で作っていたんですよね。
自分もそのセリフを使っていたからこそ、余計に嫌なんですよ、「お前のために」なんて言ってくる人。
結局、自分が可愛いだけっていう気持ちから出ているのがわかるから。
社内の上司や同僚のパワハラがキツイ時の対処方法
さて、社内の上司や同僚が「おまえのために」を免罪符にした人格否定や、社内でつるし上げるようなパワハラをしてきた場合はどうすればいいのでしょうか?
対処方法をお伝えします。
上司からのパワハラの対処方法①:さっさと転職する
無難ですが、これが一番の正攻法。
パワハラ上司を変えることなんてできませんし、上司である以上は逆らうことはできません。
だったらもう環境ごと変えるしかないのです。
あれこれ迷う暇があったら、さっさと転職先を探してクソみたいな職場にバイバイしましょう。
じゃなければ、あなたの精神がおかしくなってしまいますから。
上司からのパワハラの対処方法②:さらに上の上司に密告する
上司にも上司がいます。
上司の上司に対して、
「こんな酷い仕打ちを受けています。」
「これは明らかにパワハラです。」
と、報告しましょう。
まともな組織のまともな上司であればきちんと耳を傾けてくれるでしょう。
ただし、腐った組織の場合、上司同士が結託して「なかったこと」にされる場合もあるので、そこはよく見極めておく必要があります。
あまりにもリスキーであれば、先ほどお伝えしたようにさっさと転職する方が無難です。
上司からのパワハラの対処方法③:ひたすら耐える
とにかく耐えるのも一つの方法。
メンタルがおそろしく強い人であればいいですが、普通の人にはお勧めしません。
すでに次の転職先が決まっていて、
「どうせこんなクソ会社、もう少しで辞めるからなあ〜!」
「どうせ辞めるし、とことんまでこの状況を楽しんでやるぞ〜w」
これくらいの余裕がある人にだけオススメできる方法です。
パワハラを理由に転職することは「逃げ」なのか?
結論から言うと、「逃げ」ではありません。
より良い環境を求めるのは労働者が持つ当然の権利です。
世の中には「石の上にも三年」という有名なことわざのせいで、早く職場を去る人間=ダメ人間、のようなレッテルが貼られてしまう風潮があります。
ですが、そもそもパワハラをしてくるような人間が存在する職場の方がおかしいのです。
あなたが辞めたくらいで会社が傾くことは99%ありませんので、安心して転職活動しましょう。
まとめ
いずれにしても、「お前のために言っている」なんて言ってくる奴はろくなもんじゃない。
本当に自分のことを思ってくれているのであれば、そんな「逃げ道」を作った上で何かを指摘してくるなんて卑怯なことはしない。
きちんとまっすぐぶつかってきてくれるはずです。
世の中、ずるい人はたくさんいます。
ずるい人ほど、「俺はずるくない」という顔をしてやってきます。
判別するのは難しい。
ここは経験を積むしかありません。
注意しましょう。
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